格好良い個体の写真をお送りいただきまして、ありがとうございました。
テイオウヒラタクワガタといえば、フィリピン系のヒラタクワガタを代表する昆虫で、今も昔も根強い人気があります。
クワガタ相撲においても人気のある虫であり、特に95mm~100mm前後の階級で好んで用いられてきました。
そんなテイオウヒラタですが、インターネット上では喧嘩の強さに言及している記事は意外と少ないようです。
パラワンとは異なり、テイオウには「戦う虫」としてのイメージが、一般にはあまり定着していないのかもしれません。
この記事では、クワガタ相撲という競技におけるテイオウについて、実際のところはどうなのか、解説していきます。
テイオウヒラタクワガタの特徴
テイオウの名を冠するヒラタクワガタ
テイオウヒラタとは、フィリピンオオヒラタの中でもカタンドゥアネス島やルソン島などに生息する、内歯が完全に上がるタイプのヒラタを指します。
つまりは分類上、マリンドッケなどと同じ仲間ということになるようですが、ちょっと信じられませんね。
生息地
テイオウヒラタの主な産地は、フィリピンの「カタンドゥアネス」という島になります。
フィリピン原産のヒラタクワガタは、場所によって顎の形状が大きく異なりますが、このカタンドゥアネス島に生息するヒラタクワガタに関しては、内歯上がりで固定のようです。
パラワンを上回る体躯と内歯上がりの顎
クワガタ相撲におけるテイオウヒラタは、95mm~100mm前後の階級を中心に活躍するクワガタです。このサイズ帯の階級における仮想敵は、スマトラオオヒラタとパラワンオオヒラタになるでしょう。
上記の二種と比較してみると、テイオウはパラワンより太くスマトラより細い傾向にあり、パラワンの適正階級よりも下の階級から活躍させることができます。
またテイオウヒラタは、後述する内歯上がりのヒラタクワガタの必殺技である、「テイオウ・ロック」の元ネタとなった虫です。
テイオウはこの技を繰り出すことで、太いスマトラが相手でも、体格的な不利を補うことができるのです。
テイオウヒラタの強さは?
続いて、テイオウヒラタの強さについて掘り下げます。
先に結論を言ってしまえば、「個体による」というのが私の答えです。当然ながら、同じテイオウの中でも強い個体もいれば弱い個体もいます。
ですが、これまで多くの試合を見てきた経験から、テイオウの強さについて論じることは可能です。
「強さ」の定義
そもそもクワガタの強さとは何かという話ですが、このサイトでは“クワガタ相撲大会の土俵の上”という限定的な環境下で人為的に発生させる、カブトムシもしくはクワガタムシの闘争における勝率を、「強さ」と定義します。
従って、野外で自然発生するオス同士またはメス同士の闘争行動や、所謂バーリトゥードなどと呼ばれる虫同士の殺し合い(喰い合い)は一切考慮しません。
テイオウヒラタが得意とする階級(環境)
トップページでも軽く触れている通り、テイオウが得意な階級は95mm~100mm前後の階級になります。ギネス級の個体を用意できれば無差別級でも戦えるでしょうが、現実的には難しいので、基本的にテイオウの出場階級は95mm級か100mm級のどちらかです。
必殺! 「テイオウ・ロック」について
テイオウヒラタが繰り出すこの技は、斜めに組み合った状態から相手の胸部をしっかりと挟み、そのまま捻り込むことで相手を土俵から引き剥がすというものです。
この技が決まると力がダイレクトに相手に伝わるので、並大抵の虫では耐えることができません。
この技により100mm級におけるライバルであるパラワンは勿論、95mm級においても大きなスマトラを打ち破ることが可能なのです。
まとめ
最近は飼育技術の進歩もあり、パラワン並みに大きい個体や、スマトラ並みに太い個体といった、非常に強力なテイオウヒラタが土俵に上がるようになってきました。
その影響か、弱点とされていたスタミナ面を克服し、パラワンやスマトラのように安定して戦える個体が増えてきたように感じられます。
やや上級者向けの虫ではありますが、敷居は下がってきたので、テイオウヒラタが好きな人はぜひ自慢の個体でクワガタ相撲に挑戦して頂きたいと思います。


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