スラウェシオオヒラタといえば、かつて「セレベスオオヒラタ」と呼ばれ、今も昔も野外採集品が多数入荷する安価で入手しやすい外国産ヒラタクワガタです。
WD個体が通年入荷するためか、国内でブリードされた個体が販売される様子はあまり見かけません。
ところが近年、「秘密の離島」なる謎の産地のスラウェシオオヒラタが出現し、通常の産地(パロロなど)を原産とするスラウェシを凌ぐ体格と、他の内歯上がり系ヒラタとは一線を画した太い顎が人気を集め、ブリードされた個体がオークションなどでも出回るようになってきました。
そんなスラウェシですが、クワガタ相撲大会でも見かける機会の多いクワガタと言えます。
本記事では、スラウェシオオヒラタのクワガタ相撲における実力について掘り下げていきたいと思います。
スラウェシオオヒラタの特徴
スラウェシオオヒラタとは、その名の通りインドネシアのスラウェシ島に生息する、内歯上がりのオオヒラタクワガタです。
かつてはセレベスオオヒラタと呼ばれていましたが、原産地である島の名称がセレベス島からスラウェシ島に変更されたことで、ヒラタの呼び名もこれに倣いました。
余談ですが、スラウェシ島にはマナドヒラタという別のオオヒラタも生息しており、そちらは内歯下がりです。
同じ島に生息しているのに、不思議な話ですね。
スラウェシオオヒラタの生息地
本記事で取り扱うスラウェシオオヒラタの産地であるスラウェシ島は、インドネシアの中央付近に位置する島で、カリマンタン島の隣にあります。
スラウェシ島のすぐ隣にはペレン島もありますが、スラウェシ島と同様に内歯上がりのヒラタが生息しており、ペレン産のスラウェシオオヒラタとして扱われています。
後述する「秘密の離島」なる産地については、残念ながら詳細な位置は掴めませんでした。
お手軽な内歯上がり系ヒラタ
スラウェシオオヒラタは、冒頭で述べた通り1年を通じて輸入されるオオヒラタで、値段も他のヒラタと比較すると大変リーズナブルです。そこそこ大きくて迫力のある個体が、1,000円以下で購入できることも珍しくありません。
そのため他のヒラタよりも、頭数を揃えることが容易です。同じ内歯上がりヒラタの代表としてはテイオウヒラタが挙げられますが、テイオウよりも安いコストで手に入ります。
大量に購入したスラウェシの中から喧嘩の強い個体を厳選することもできますし、まとめ買いした個体を全て大会に送り出すことで、「戦いは数だよ兄貴!」と言わんばかりのドズル的な戦略を展開することもできます。
また、安いからと言って弱いということはなく、オオヒラタとして公式大会で十分に戦えるポテンシャルを持つクワガタです。
スラウェシオオヒラタの強さは?
続いて、スラウェシの強さについて掘り下げます。
先に結論を言ってしまえば、「個体による」というのが私の答えです。当然ながら、強い個体もいれば弱い個体もいます。
ですが、これまで多くの試合を見てきた経験から、スラウェシの強さについて論じることは可能です。
「強さ」の定義
そもそもクワガタの強さとは何かという話ですが、このサイトでは“クワガタ相撲大会の土俵の上”という限定的な環境下で人為的に発生させる、カブトムシもしくはクワガタムシの闘争における勝率を、「強さ」と定義します。
従って、野外で自然発生するオス同士またはメス同士の闘争行動や、所謂バーリトゥードなどと呼ばれる虫同士の殺し合い(喰い合い)は一切考慮しません。
スラウェシオオヒラタは「テイオウ・ロック」が使える虫
スラウェシオオヒラタは、テイオウと同じ内歯上がりのヒラタなので、テイオウ・ロックを繰り出すことができます。そのため、軽量ながらパワー負けせず立ち回ることが可能なのです。
内歯上がりのオオヒラタの「テイオウ・ロック」なる技については、下記の記事でも触れています。
スラウェシオオヒラタの得意な階級は?
メインは体重制
スラウェシオオヒラタは、基本的に体重制の9g前後の階級で用いられるクワガタです。
スラウェシを使用する場合は85mm前後の個体を用意し、既定の体重まで減量させて大会に臨むことになります。
サイズ制では……?
スラウェシも100mmに達するオオヒラタなので、大型の個体であればサイズ制でも一応戦うことはできます。その場合、出場させるのは95mm~100mm前後の階級になるでしょう。
ですが、そのサイズ帯で内歯上がり系ヒラタを使うのであれば、テイオウヒラタやオーロラヒラタなどを用いるほうが望ましく、サイズ制におけるスラウェシはテイオウの劣化……と、言われていました。
「秘密の離島」のスラウェシオオヒラタはサイズ制で活躍できる!
スラウェシは基本的に体重制9g前後の階級で戦う虫ですが、謎の産地「秘密の離島」を原産とするスラウェシオオヒラタの場合、サイズ制の階級でもテイオウやパラワンに劣らない活躍が期待できます。
秘密の離島スラウェシは通常のスラウェシよりも大型になりやすく、95mm~100mmの階級に適した個体を用意する難易度が低いことに加え、顎の力が非常に強く、テイオウ・ロックの発動率が高いこともサイズ制で戦える要因です。
秘密の離島のスラウェシであれば、95mm以上の階級でパラワンやテイオウ等と張り合うことも、十分に可能です。
秘密の離島スラウェシ、通称「離スラ」はまだまだ実戦データの少ないクワガタですが、研究が進むにつれ、今後は大舞台でも活躍する機会が増えるでしょう。
まとめ


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