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サイズ制「100mm級」とは?パラワンの意地か、テイオウの技か。激動の階級を、自慢の一頭で駆け抜けろ!

クワガタ相撲の基礎知識
この記事は約9分で読めます。

皆様こんにちは。

他記事でも述べている通り、クワガタ相撲は虫のサイズ、もしくは体重によって各階級に振り分けた上で試合を行います。

本記事では、クワガタ相撲における「階級」の中でも、サイズ制の「100mm級」について詳細に解説していきます。

クワガタ相撲における「階級」

個体のサイズによっても分けられる

人間の格闘技と同様に、クワガタ相撲にも階級が存在します。
人間のそれと比較すると、体重だけでなく体長、すなわちサイズによって分けられる階級も存在していることが特徴的です。むしろ近年では、サイズ別に階級を設定することが主流となっています。

本記事で解説している「100mm級」に関しては、その名の通りサイズが100mmまでのクワガタが出場できる階級ですが、サイズ規定は大会によって微妙に異なります。

例えばある大会では「顎を開いた状態で102.9mmまでの虫」とされていますし、また別の大会では「100.9mmまでの虫」とされることもあります。

開催地域や主催者の意向によりサイズ規定が異なってくるので、自分が参加を予定している大会のサイズ測定方法や規定値は、必ず確認しておきましょう。

サイズ制は、体が重い虫が有利!

サイズ制の階級は、体長(体の長さ)に制限があり体重(体の重さ)に制限が無いことから、既定のサイズ内でなるべく体重のある(体の重い)個体が有利になります。

例えば同じ100mmのオオヒラタでも、体重が16gの虫もいれば20gの虫もいます。その場合、当然ウェイトのある後者の個体がパワフルで有利です。

人間で言えば、同じ身長170cmの男性であっても、体重が50kgの痩せた人と、体重が80kgのマッチョでは、後者が圧倒的にパワフルで強いことはご理解いただけると思います。これと同じです。

ただ気を付けなければならないのは、努力すれば大きく体重を増やしたり、見違えるほど筋肉をつけたりすることが後天的に可能な人間と違い、クワガタは生まれつき体重の推移が固定されています。

というのも、クワガタは昆虫すなわち外骨格を持つ節足動物なので、脱皮を経なければ身体のボリュームアップは不可能です。
そして一度成虫となったクワガタは二度と脱皮できず、食物や水分の摂取による物理的な増量しか期待できません。

さらに、人間のように格闘技の訓練を受けるなどして、新しい技を身に着けるようなことも不可能です。クワガタは、遺伝子に刻み込まれた戦い方しかできません。

つまり成虫となった時点で、そのクワガタが有するパワーも、技も決まっています。戦闘能力の上限は、生まれつき決まっているのです。

そのため、「生まれながらに強い」個体を厳選する必要があります。生まれつき体重があって、生まれつき闘争心が強くて、生まれつきテクニックのある個体を探すことになります。

これは非常に難しく、お金も時間もかかる作業です。
しかし、苦労して見つけた強力なクワガタを繁殖させ、自分だけの「バトル血統」を作り上げ、育て上げたクワガタ軍団で大会に挑むことには、何にも代えがたいロマンと快感が存在します。

「100mm級」で人気なクワガタ

前述の通り、サイズ制では「生まれつきマッチョ」なクワガタが用いられます。
そのためオオヒラタの中でも、いわゆる「極太」や「短歯」などと呼ばれる、マッチョな遺伝子を持つ個体が重宝されています。

ですが100mm級は、90mm級ほどパワー偏重の階級ではありません。
理由は後述しますが、スマトラオオヒラタが出場し難い階級のため、パラワンオオヒラタテイオウヒラタ等が活躍します。

そんな100mm級においてメジャーなクワガタは、下記の2種類です。

パラワンオオヒラタクワガタ

パラワンオオヒラタクワガタは、100mm以上の大型階級で人気のあるクワガタです。
外国産オオヒラタの中でもトップクラスの知名度を誇り、「戦う昆虫」としてのイメージが一般にも広く根付いています。

パラワンは極めて闘争心が強く、初心者でも戦わせることが容易であり、扱いやすい虫としてクワガタ相撲愛好家に古くから愛されてきました。

大型のクワガタでありながら、動きの素早さにも定評があります。

クワガタ相撲大会におけるパラワンオオヒラタについて、もっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

テイオウヒラタクワガタ

テイオウヒラタクワガタは100mm前後の階級において、急激に勢力を拡大しているオオヒラタです。

飼育技術の向上により大型個体を作出しやすくなったことに加え、血統の研究が進み太くてパワーのある個体が増え、かつて弱点とされていたスタミナ面を克服してきたことによります。

2020年2月2日に開催されたドルクスチャンプ杯では、パラワンを含む他のヒラタを全て退け、テイオウヒラタが優勝を飾りました。

テイオウヒラタはパラワンより太い傾向にあり、パワーの面でも有利なことに加えて、後述の「ロック」と呼ばれる現象(技)を引き起こす確率が高いことから、もし大型の個体を手に入れることができれば、100mm級での試合を優位に進めることができるでしょう。

テイオウヒラタについては、下記の記事でも詳しく解説しています。

クワガタ相撲における「ロック」とは?

クワガタ相撲大会の会場では、「ロックした」とか「ロックされた」とか、そんな言葉をよく耳にします。

この「ロック」とは、オオヒラタ同士が四つに組み合った状態から、相手の胸部を左右の顎で上下からロックすることを言います。

文面では分かりにくいので、下記の画像をご覧ください。

向かって左側のテイオウが、向かって右側のパラワンの前胸を顎先でしっかりと挟み、捻り上げようとしているのが分かると思います。

これが、「ロックした」あるいは「ロックされた」状態です。この技が決まると力がダイレクトに相手に伝わるため、並大抵の虫の脚力では耐えきれず、持ち上げられてしまいます。

この「ロックする」ことは、オオヒラタであればどの種類も可能です。ただし「ロックする」ためには、一定以上の顎のリーチと挟む力が求められます。

中でもテイオウヒラタ(と他の内歯上がり系ヒラタ)は、顎のリーチと力を併せ持っている個体が多い傾向にあり、「ロック」を発動しやすく、結果的に自分よりマッチョな虫(スマトラなど)を打ち負かす可能性が他種より高いのです。

特に内歯上がり系ヒラタがロックすることを「テイオウ・ロック」と呼び、内歯上がりヒラタ固有の技術として扱うこともあります。

スマトラオオヒラタは何故か不利

さて90mm級95mm級ではメジャーな虫だったスマトラオオヒラタはどうなのか、という話ですが、実はスマトラオオヒラタは100mm以上の大型階級において、結果を出せていません。

近年は飼育技術が向上したことで、100mmクラスのスマトラを手に入れることも夢ではなくなりました。
100mmものサイズを誇るスマトラであれば、ガタイや体重の面では、パラワンはおろかテイオウをも遥かに凌ぎます。100mmのパラワンと100mmのスマトラを並べてみると、見た目の迫力は段違いで、とてつもなく強そうに見えます。

ところがスマトラオオヒラタの記事でも触れている通り、100mm以上の階級では、自身より遥かにヒョロいパラワン等と戦うと、あっさりロックされ投げ飛ばされてしまう場面が多々見られます。

これについてはクワガタ相撲愛好家の間でも色々な説が飛び交っていますが、はっきりとした原因は今のところ不明です。

100mm越えのスマトラは、外側(殻)ばかり大きくて中身が詰まっていないのではないか、とも言われています。

現段階ではっきり言えることは、スマトラが得意な階級はやはり90mm~95mmであり、100mm級ではオススメできないということです。

「100mm級」の基本的な戦い方

100mm級がどのような階級であるか、また人気なヒラタはどれか等は、前述した通りです。続いて、クワガタ相撲における「100mm級」の基本的な戦略について解説していきます。

なるべく太く、厚いヒラタを選ぼう

100mm級はパワー偏重の階級ではありませんが、それでも一定以上のフィジカルは求められます。
頭幅、胸幅はもちろん重要ですが、体の厚みも要チェックです。つまりヒラタを横から見て、胸部の厚さがどの程度かということです。

「ヒラタ」なのに「厚い」個体がいるのかって話ですが、胸の厚い個体はパワフルで強い傾向にあるので、出場させる個体を見極める際、忘れずチェックしておきましょう。

体重の目安

サイズ制においては、可能な限り体重のある、重い個体が有利であることは前述した通りです。
それでは具体的に、何グラム程度の体重が望ましいのでしょうか?

クワガタ相撲における体重
=後食をしっかりしている状態の体重

クワガタ相撲における体重は、後食をしっかりとしていて、ブリードにも使用できる状態にある個体の重さをはかることが基本です。

後食が進んでおらず、未成熟の個体はそもそも戦うことができません。
従って、未後食の個体の体重をはかる必要はないのです。

すぐにでも戦える個体の体重をチェックしましょう。

関東におけるルール(102.9mm級)の場合

同じ「100mm級」でも、地域や大会によって微妙にサイズ規定は異なります。
関東大会の場合、100mm級に相当する階級は「102.9mm級」です。このサイズ帯の場合、体重の目安は何グラム程度なのでしょうか。

実際に大会運営者に聞いてみた

関東におけるクワガタ相撲大会、「ドルクスチャンプ杯」の運営者の方に、実際に体重の目安を聞いてみました。

今回、情報を提供して頂いた方のTwitterはこちら

パラワンオオヒラタを使用する場合

パラワンオオヒラタを102.9mm級(関東における100mm級相当)で使用する場合、体重が17g以上ある個体が望ましいとのことです。

テイオウヒラタを使用する場合

テイオウヒラタを102.9mm級(関東における100mm級相当)で使用する場合、体重が20g以上ある個体が有利とのことでした。

試合時の立ち回り

基本的には互いにロックを狙う

100mm前後の階級では、四つに組むことが多いです。
テイオウにせよ、パラワンにせよ、その他の虫にせよ、前述のロックを狙って組手争いをすることになるでしょう。

100mmともなるとパラワンにせよテイオウにせよ、相手をロックする力は強烈です。

一度ガッチリ挟まれると逃れることは難しいため、先に力を入れやすいポジションを取った虫が有利になります。

従って100mm級で戦う虫には、しっかり挟めるまで何度も挟み直す手数の多さと、相手の動きに即座に反応して対処するスピードが求められます。

虫を信じて、騒がず見守る

最初の誘導が終わった後、飼い主にできるのは、自分の虫を信じて静かに見守ることだけです。

戦うのは飼い主ではなく、クワガタです。彼らは私たちのために、命を削って戦います。

勝てたら虫のおかげ、負けたら自分のせい。
勝っても負けても、大げさに喜んだり、大げさに悪態をついたりせず、スポーツマンシップに則った振る舞いを心がけましょう。

まとめ

100mm級で主流な虫はパラワンとテイオウ
現状では、スマトラは不利気味
手数の多さでロックを狙うべし

クワガタ相撲における100mm級とは何か、魅力はどこにあるのか、皆様に伝わりましたか?

100mm級は長い間パラワンが幅を利かせてしましたが、最近になってテイオウなどの内歯上がり系ヒラタが勝ち上がる場面が多く見られるようになってきました。

パラワンにこだわりのある虫相撲愛好家は、虫相撲の開拓者たるプライドを賭けて、王座を守り抜くことができるのか?

内歯上がり好きな虫相撲愛好家は、選び抜いた究極の一頭で、猛り狂うパラワンをねじ伏せることができるのか?

今まさに、100mm級は転換期を迎えています。この記事を読んでいるあなたも、時代の移り変わりを目の当たりにするかもしれません。

この記事を通じてクワガタ相撲大会の「100mm級」の魅力を広め、競技人口を増やすことができれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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『虫道』管理人
都内に勤めるサラリーマン。某ベンチャー企業で、webサイトの運営に携わる。学生時代に自らクワガタ相撲大会を主催し、オオヒラタのみならず、多種多様なクワガタの試合を裁いた経験を持つ。 クワガタ相撲大会を通じて培った知識をもとに、クワガタ相撲専門サイト『虫道』を立ち上げ、管理者として日々コンテンツを作成している。

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