パラワンオオヒラタクワガタと言えば、外国産クワガタ全体の中でもトップクラスの知名度を誇り、非常に人気のあるクワガタです。
そんなパラワンですが、インターネット上で検索してみると、喧嘩の強さに言及する記事が目立ちます。
圧倒的なサイズ感と後述する性質から、昆虫の中でも最強なのではないかと考えている人もいるようです。
この記事では、クワガタ相撲という競技におけるパラワンについて、実際のところはどうなのか、解説していきます。
パラワンオオヒラタの特徴
世界最長のヒラタクワガタ
パラワンオオヒラタは最大で110mmに達する、ヒラタクワガタの中でも最大級の種類です。
クワガタ全体でみれば、世界最長のクワガタとして有名なギラファノコギリクワガタが120mmに達し、パラワンを上回ります。
しかしパラワンは横幅もあるため、数値以上に大きくガッシリとして見えます。
生息地
パラワンオオヒラタは、その名の通り「パラワン島」という島に生息する昆虫です。
パラワン島はフィリピンの南西部に位置する細長い島で、豊かな自然が残されています。美しい海に囲まれたパラワン島は、フィリピン最後の秘境とも呼ばれているそうです。
よく見かける産地としてブルックスポイントがあり、パラワン島の南東部に位置しています。
ガントン山、マンタリンガハン山などで採集された個体が、時折日本にも輸入されていますね。
またオオヒラタ全体に言えることですが、ブリード(繁殖)の方法は確立されており、輸入個体のみならず、日本で繁殖された個体も多数流通しています。
そのためパラワンは入手しやすく、また野外品が定期的に入荷していることから、国内のパラワンの血が濃くなり過ぎる心配も今のところ無いクワガタです。
極めて荒い性質
パラワンは、凶暴なオオヒラタの中でも特に闘争心が強い種類です。
土俵に上げると指揮棒に鋭く反応し、スピーディーに前進、対戦相手に襲い掛かります。
オオヒラタなので、いわゆる「逃げ癖」や「負け癖」と呼ばれる状態に陥ることは勿論ありますが、全く戦わずに逃げることはまずありません。
戦わせるためのコンディション作りやウォーミングアップが容易で、指揮棒による操作も比較的簡単です。
パラワンオオヒラタは最強?
続いて、パラワンオオヒラタの強さについて掘り下げます。
先に結論を言ってしまえば、「個体による」というのが私の答えです。当然ながら同じパラワンの中でも強い個体もいれば弱い個体もいて、必ずしも最強とは言えません。
ですが、これまで多くの試合を見てきた経験から、パラワンの強さについて論じることは可能です。
「強さ」の定義
そもそもクワガタの強さとは何かという話ですが、このサイトでは“クワガタ相撲大会の土俵の上”という限定的な環境下で人為的に発生させる、カブトムシもしくはクワガタムシの闘争における勝率を、「強さ」と定義します。
従って、野外で自然発生するオス同士またはメス同士の闘争行動や、所謂バーリトゥードなどと呼ばれる虫同士の殺し合い(喰い合い)は一切考慮しません。
パラワンが得意とする階級(環境)
トップページでも軽く触れている通り、パラワンが得意な階級は100mm前後と無差別級になります。95mm前後の階級でも時折見かけますが、この階級ではスマトラやテイオウが非常に強力なので、あまりオススメできません。
パラワンを相撲で使う場合は体重制の階級に出場させるか、そうでなければ100mm以上の個体を用意することが望ましいです。
直近の大会結果から見るパラワンオオヒラタの強さ
102.9mm以下級で、パラワンの時代終焉!?
2020年2月2日(日)に、関東のクワガタ相撲大会「ドルクスチャンプ杯」が開催されています。
無差別級ではまだまだ強い
一方サイズ制限の無い無差別級では、パラワンほど大きくなるオオヒラタが他にいないことから、まだまだ覇権を握っています。
大きさの制限がない状態でパラワンが一番強いのであれば、クワガタ相撲において最も強いのはパラワンである、と考えることも可能かもしれません。
まとめ


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