皆様こんにちは! 当サイトへお越しいただきありがとうございます。
このサイトでは、「クワガタ相撲」という競技についてご紹介しています。
世にいうクワガタ相撲とは子供達が楽しく遊ぶものとして定着していますが、実は大人が本気で取り組むディープな遊びでもあります。
そんなクワガタ相撲の魅力を少しでも広めるために、まずはこの記事で、クワガタ相撲の基本を解説したいと思います。
クワガタ相撲大会とは
大人の遊びとして
クワガタ相撲大会とは、その名の通りクワガタを戦わせて強さを競う大会です。
「クワガタを戦わせる」と聞くと、田舎の子供が近所の雑木林で捕まえてきたノコギリクワガタやミヤマクワガタを戦わせる姿を思い浮かべる人も多いでしょうが、現在ではむしろ大人が楽しむ遊びとして確立しています。
決して少なくない金額を投じて買い集めたり、あるいは自宅で育てたりした海外の巨大なクワガタ(特に大型のヒラタクワガタ)を大量に引き連れた大人たちが一堂に集まり、クワガタの喧嘩に一喜一憂するのです。
かつては大規模な大会が頻繁に開催されていましたが、現在はブームが去り下火になっています。
しかし九州では今でも毎月クワガタ相撲大会が開催されているようですし、東京の昆虫ショップ「bettle_on」でも数か月に一度のペースでユニークなルールの大会が開催されています。
更に昆虫ショップの老舗である「むし社」でもクワレスが開催されるなど、一部ではまだまだ人気があるとも言えそうです。
クワガタ相撲でメジャーな虫
クワガタ相撲大会で使用される虫は、主としてフィリピンやインドネシアなどを中心とする、海外の大型ヒラタクワガタです。
大型のヒラタクワガタであれば何でもチャンスはあるでしょうが、ここではヒラタの中でも特によく用いられる虫をご紹介します。
【使用率ナンバーワン!】
パラワンオオヒラタクワガタ
パラワンは、日本で最も有名な大型ヒラタクワガタと言っても過言ではないでしょう。
気性の荒さと動きの素早さに関しては、他のヒラタとは一線を画します。
クワガタ相撲において最も重要なのは気性の荒さ(ハートの強さ)なので、ずば抜けて闘争心が強いパラワンは、初心者でも戦わせることが容易です。
ビギナーからベテランまで広く愛されるパラワンは、クワガタ相撲マニアから非常によく研究されています。私も初心者におススメしたいのはパラワンです。
特にこだわりがないのであれば、「これは!」と見込んだ個体を、陣営に一頭は入れておくと良いでしょう。
パラワンの適正階級
サイズ制:100mm級、無差別級
体重制:全階級に適応
パラワンオオヒラタに関しては、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
【とにかくゴツい!】
スマトラオオヒラタクワガタ(アチェ)
このスマトラオオヒラタも、パラワンに並んで使用率の高い大型ヒラタクワガタです。
特徴はご覧の通り、圧倒的なガタイです。
もし同じサイズであれば、体格の面でパラワンを遥かに上回ります。
※例えば90mmのパラワンと、同じく90mmのスマトラなら、体重の面でスマトラが圧倒的に上回るのでパラワンはほぼ勝てません。
サイズ制90mm前後の階級で、スマトラに勝てる虫はマリンドッケくらいのものでしょう。
最近は飼育技術の進歩もあり、パラワンのホームグラウンドである100mm前後の階級にも進出しつつあります。
「とことん突き詰めた時、最も強いのはスマトラではないか?」
そう考えるクワガタ相撲マニアもいるくらいです。
スマトラの適正階級
サイズ制:85mm級、90mm級、95mm級
体重制:体が重い虫なので、体重制限のある階級には不向き。
スマトラオオヒラタに関しては、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
【見事な技前!】テイオウヒラタクワガタ
テイオウヒラタクワガタはやや上級者向けの虫で、パターンにハマればどんな虫も葬り去る爆発力があります。
特徴としては、パラワンやスマトラとは全く異なるアゴの形状です。
内歯が顎の先端付近に位置することから、相手の胸部を強力にロックすることができます。
これは通称「テイオウ・ロック」と呼ばれる現象(技)で、これを受けた虫はたちまち足場から引き剥がされ、スリーカウントK.O.となります。
体格差(体重差)を一撃でひっくり返す可能性を秘めていることから、ロマンのあるクワガタと言えます。
欠点としては個体差はあるものの、全体的にスタミナ不足であることです。
クワガタ相撲大会はトーナメント制のため、もし勝ち進めば連戦必至となります。
テイオウの場合、順調に勝ち進んだとしても、試合数を重ねるごとに明らかに動きが悪くなります。
なんとか勝ち上がる頃にはヘロヘロで、弱ったところを威勢の良いパラワンなどにコテンパンにされ、優勝を逃してしまう……といったケースが見られます。
テイオウヒラタでトーナメントを制すためには、全試合秒殺で勝ち上がり、体力を温存した状態で決勝戦に臨む必要がありそうです。
そのため、テイオウはある程度クワガタ相撲に慣れたベテラン向けと言えます。
テイオウの適正階級
サイズ制:95mm級、100mm級、無差別級
体重制:パラワンに準ずる。
テイオウヒラタに関しては、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
【特定階級の支配者!】
ダイオウヒラタクワガタ
最近は参加者不足から開かれることの少ない階級ですが、サイズ制の80mmから85mmという狭い範囲の階級において、猛威を振るうのがダイオウヒラタです。
インドネシア・ジャワ島にのみ生息するダイオウヒラタの特徴は、牛の角のように強く湾曲した顎です。
あまり大きくはならない種類ですが、同じサイズであれば、ガタイにおいて先述のスマトラを上回るゴリマッチョな虫です。
※80mmのダイオウヒラタと、同じく80mmのスマトラを並べると、ダイオウのほうがマッチョです。
80mm前後の階級ではダイオウよりも重くてマッチョな虫がいないため、最も有利な種類となるのです。
ダイオウの適正階級
サイズ制:80mm級、85mm級
体重制:体重制には適さない。
【サイズ制のダークホース!】
マリンドッケオオヒラタクワガタ
マリンドッケオオヒラタは、最近話題に上がることの多いオオヒラタです。
一見すると特徴がなく、「なんか普通」といった見た目のヒラタクワガタですが、マリンドッケの強さの秘密は顎の破壊力にあります。
挟む力が恐ろしいほど強いため、体格的に不利なはずのスマトラとも互角以上に渡り合うことができるのです。私も絶対に挟まれたくありません。
まだまだ研究の余地がある種類ですが、今後スポットライトを浴びる機会が増えてくるでしょう。
マリンドッケの適正階級
サイズ制:85mm級、90mm級、95mm級
体重制:体が重い虫なので、体重制限のある階級には不向き。
【頼れる即戦力!】
スラウェシオオヒラタクワガタ
スラウェシオオヒラタは昔から野外採集品が多数日本に輸入されており、クワガタ相撲においても体重制の9g級を中心に活躍しているオオヒラタです。
また最近は「秘密の離島」と呼ばれる、特殊な産地のスラウェシオオヒラタも登場しており、サイズ制の階級でも95mm~100mm前後を中心に少しずつ勢力を拡大し始めています。
スラウェシの適正階級
サイズ制:95mm級、100mm級
体重制:9g級
スラウェシオオヒラタに関しては、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
クワガタ相撲の公式ルール
公式といっても、人間の格闘技のように大きな団体が正式なルールを定めているわけではありません。
あくまでも、愛好家が独自に定めた規則によるものです。
また大会や主催者によって、細かいところで違いがあります。
そこでこの記事では、どの大会でも共通しているであろうルールを大まかにご説明します。
階級
人間の格闘技の場合、階級といえば体重で分かれることが基本ですが、クワガタ相撲の階級には二種類あります。
体重制
まず体重制です。こちらは人間の格闘技と同じく、クワガタの体重によってそれぞれの階級に振り分けるものです。
ちなみに体重は、調理用の電子はかりを用いて計測されます。
体重制は「サイズに制限がなく、体重に制限がある」ことから、「なるべく大きくて、軽い虫」が有利になります。
大きい虫は大きい分体が重いので、大幅な減量が必要です。
無理な減量をすれば虫がヘロヘロになってしまい、戦えなくなってしまいます。
逆に小さい虫は減量させずに出場できますが、小さい分地力が弱いです。
そのため、大きくて軽い傾向にあるパラワンやミンダナオ、スラウェシといった、比較的細身なオオヒラタクワガタが用いられるのです。
主な階級
- 体重9g級
- 体重10g級
- 体重15g級
- 体重16g級
いずれの階級も、虫のサイズと減量幅を見極めて、しっかりと調整する必要があります。
サイズ制
サイズ制は、体の大きさによって各階級に振り分けるものです。
このシステムでは「サイズに制限があり、体重に制限がない」ので、「既定のサイズ内で、可能な限り重い虫」が有利になります。
そのため、タッパが小さく筋肉質なオオヒラタが有利になるのです。
主な階級
- 90mm以下級
- 95mm以下級
- 100mm以下級
- 101mm以上(無差別)級
90mm以下級
スマトラオオヒラタのメッカ。最近はマリンドッケも進出しつつあります。
95mm以下級
スマトラオオヒラタとテイオウヒラタが鎬を削る階級ですが、稀にパラワンも参戦します。
100mm以下級
パラワンオオヒラタとテイオウオオヒラタが鎬を削る階級ですが、最近は巨大なスマトラオオヒラタが出場することも珍しくありません。
パラワン・スマトラ・テイオウといった三大ヒラタが利権を争うホットな階級です。
101mm以上(無差別)級
基本的には、パラワンの中でも特に大きな個体が出場する階級です。時にはスマトラやテイオウなどの特大個体も参戦します。
どの階級に出場するのか?
ベテランになると階級に拘りを持つ人も出てきますが、初心者の方の場合は階級で選ぶというより、まずは自分のお好きなオオヒラタを選んでみてください。
パラワンが好きなら100mm以下級がおすすめですし、スマトラが好きなら90mm以下級や95mm以下級がおすすめです。
つまり、種類によって得意な階級があるため、自分の好きなオオヒラタが見つかったら、その虫にとって有利な階級に出場すれば良いのです。
この記事も参考になると思います。
リング(土俵)
クワガタ相撲の土俵として、最近の大会でよく使われるのは「猫の爪とぎ」というものです。
猫の爪とぎは本来ネコの飼育用品ですが、平面であることと、クワガタの足場として適していることから、クワガタ相撲の土俵として用いられるようになりました。
このほかにも
- 本物の丸太を使う
- 樹皮を平面にならしたものを使う
- 謎の特設リングを使う
などのパターンがあります。
決まり手
クワガタ相撲は基本的に「二本先取制」
クワガタ相撲大会のほとんどは、二本先取制を導入しています。つまり、先に二回勝った側の勝ちということです。
お互いに一本ずつ取り合った場合には、三本目で決着となります。
四種類の決まり手「押し出し」「スリーカウント」「背中がつく」「敵前逃亡」
それでは何を以て「一本」とするのかご説明します。
押し出し
まず決着の形式として最もオーソドックスなのは押し出しです。
この模型のように、ライン上にクワガタの体の一部(足など)が出ると、一本となります。
基本的にクワガタの闘争は、取っ組み合っての押し合いへし合いなので、先に土俵の外に出た方が負けとなります。
スリーカウント
次に「スリーカウント」ですが、次の画像をご覧ください。
少し分かりにくいですが、手前のクワガタの脚が全て土俵から離れています。
このように、どちらかの虫が完全に持ち上がっている状態のまま三秒経過すると、一本となるのです。
背中がつく
また模型の写真で恐縮ですが、このように全ての脚が離れた状態で背中がついてしまうと、一本となります。
投げ技などが決まった場合にこのような状態になるので、決着時には大変盛り上がることが多いです。
敵前逃亡
これは有名な話ですが、実はクワガタにもメンタルがあり、気持ちが切れると戦わなくなってしまいます。相手が自分より強いと感じ取ると、怖気づいて逃げてしまうのです。
逃げてしまった場合には、もちろん相手の一本となります。
ここがクワガタ相撲の最も難しいところで、「気が荒い」と言われているオオヒラタでも、強い相手を前にすると怯えて戦わなくなってしまうのです。
そのため、どんな強大な相手にも立ち向かう、頭のネジが二、三本抜けているようなクワガタを厳選する必要があります。
そういう意味でも、勇敢な個体が多いパラワンは初心者向けなのです。
まとめ
- クワガタ相撲は大人も楽しめる遊び
- 階級によって有利な虫がある
- ルールはどの大会でもおおよそ決まっている
如何でしたでしょうか。
クワガタ相撲を全くやっていない人にも、このサイトを通じて、どんな競技か知っていただければ幸いです。
本サイトでは、クワガタ相撲について初心者向けの記事から上級者向けの記事まで、あらゆるコンテンツを掲載してまいりますので、もしよろしければご愛読ください。


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